整理収納アドバイザーのsakuです。
前回のブログで、これからお家を建てようとしている方の断捨離タイミングを、引越間近ではなく、細かな間取り等のお打ち合わせ前にするのがオススメです!というお話をさせていただきました。
なぜそのタイミングがいいかは、前回のブログに書きましたので、ご覧ください。
今回は、そのタイミングを逃して、断捨離せずに、新しい家に大量のモノ持ち込んでしまった方の実例をご紹介します。
整理収納アドバイザーは、依頼があればご自宅にお邪魔してカウンセリングをすることがあります。今回はこちらの奥様から依頼を受けて、ご自宅へ伺った事例です。
【状況】
住まい:新築5年二階建て
家族構成:ご夫婦二人 共働き
モノの量:一見普通。室内は洗練された家具やインテリアでモデルハウスのよう。
収納場所:各部屋に大きめ収納あり。さらに廊下や階段下などに収納を追加した。
この家の収納で何が問題なのか?なぜ私が呼ばれたのでしょうか?
それは、収納の中を見せてもらってすぐにわかりました。
収納の多さが悪さをしていたのです。
大容量の収納がたくさんあるだけに、何でも入ってしまいます。隠せてしまうのです。とりとりあえず、入れる!放り込む!これが可能なのです。「とりあえず」の積み重ねがこのありさまです。

大容量収納には、引越した時の段ボールが重ねて置かれていました。収納の中が5年前のまま。これらのモノを出さなくても支障がなかったのは、そんなに利用しないモノ、つまり「不要・不適」なモノだった事になります。
生活している以上、モノは基本増えるものです。出して循環してやらないと、今ある収納でも足りなくなってしまうのは時間の問題です。そこで、危機感を感じて相談をしてきたというわけです。
まず、初めにお家をどんなイメージの空間にしたいかお聞きしました。と同時に、心に潜んでいるモノとのかかわり方や想いについても話を伺いました。このカウンセリングがとても大事です。整理収納に正解はないのです。
そのお家にお住まいの方が、ご自分にとってどんな空間が心地良いのか、日常の「不要・不適・不快」を「要・適・快」に入れ替えることができるのかがポイントですね。
カウンセリング終了後、数日にわたり中身を全部出して選別した結果、収納はスカスカになりました。奥様は断捨離ができないわけではなく(むしろ判断が早い)、断捨離するきっかけがなかっただけなのです。
引越間近になって、仕事と引越の忙しさに「とりあえず」と、新しい家に大量のモノを持ち込んでしまった代償でした。

このご夫婦が、お打ち合わせ前に今回の断捨離をしていたらどうなっていたでしょうか。
もしかしたら、適量のモノを持つことで、そんなに収納を増やさず、家の大きさもコンパクトになり間取りも変わっていたかもしれませんね。そして、建築予算も少なからず減少したことでしょう。そこに、お打ち合わせ前の早めの断捨離の意味があります。
今回は断捨離でモノの量を減らすという事が最大の目標でしたが、同時に奥様の心の中に潜んでいた「やらなくちゃ、でもできない」という負い目、キレイなお家の中に「絶対に人に見られたくない収納がある」という悶々とした気持ちを捨てるための心の断捨離でもあったのです。
やりきった時の奥様の爽快感と開放感に満ちた顔が忘れられません。
改めて、これからお家を建てようとしている皆様、新しいキレイなお家で開かずの収納(部屋)を作らないためにも、是非早い時期での断捨離をすすめします。
補足ですが、引っ越しで用が済んだ段ボールはなるべくお家の中から出しましょう。段ボールは適度に隙間があり、温度も湿度も整っていて害虫にとってすごしやすい環境です。早めに処分しましょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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